当事務所での全般性不安症/全般性不安障害の認知行動療法をお勧めする方
●病気(体の不調)の不安や心配・漠然とした不安や心配・その他の不安や心配により、医療機関等を利用したくても利用できない方
●心療内科・精神科・カウンセリングセンターに行くことが恥ずかしい方、怖い方、抵抗がある方
●自分の力で不安や心配を克服したい方
●不安や心配に関して医療機関での薬物療法を望まない方(現在、抗不安薬等を服用している方を含みます)
●医療機関(心療内科・精神科)等にて全般性不安症/全般性不安障害と診断された方
●全般性不安症/全般性不安障害の診断基準を満たすと思われるが、医療機関等で認知行動療法を受けたくない方・受けられない方
●精神障害・不安障害等に関する検査や診断をされたくない方
●認知行動療法に関して治療者によっての技量に疑問を感じる方
当事務所では全般性不安症(全般性不安障害)の方、その傾向にある方には、原則としてカウンセラーと一緒に市販の認知行動療法プログラムのワークブックに取り組んでいただきます。
このプログラムは、DSM-5『精神疾患の診断・統計マニュアル』による全般性不安症(全般性不安障害 Generalized Anxiety Disorder :GAD)の診断基準を満たす方には理想的な内容です。また、診断基準に当てはまらないものの、ときどき不安や緊張を感じている方にも役立ちます。そして、認知行動療法プログラムを一冊の“本”として持つことにより、プログラム終了後の数ヶ月、数年先の将来にわたり不安や心配になりそうになった時に、セルフヘルプとして自身で振り返り参照することが可能になります。
全般性不安症/全般性不安障害の認知行動療法プログラムの概要
▼『ADIS-5』に準拠する構造化面接
▼全般性不安症/全般性不安障害:GADについて理解する
▼不安のモニタリング法を身につける/毎日の記録をつける
▼不安の持つ役割、機能を理解する
▼全般性不安症/全般性不安障害:GAD を更に詳しく理解する
▼リラックスするための方法/漸進的筋弛緩法を学ぶ
▼不安を引き起こす思考をコントロールする/危険を過剰に予測する癖
▼不安を引き起こす思考をコントロールする/ 最悪の事態を考えてしまう癖
▼心配するという行動の本質をつかむ/現実的な思考をする方法・想像曝露を学ぶ
▼恐れを乗り越え、行動する/曝露
▼実際の問題に向き合う タイムマネージメント・目標設定、問題解決へのヒント
▼薬物療法と認知行動療法との関係
▼このブログラムの成果とあなたのこれから
全般性不安障害(全般性不安症)チェックⅠ/DSM-5の診断基準
■(仕事や学業などの)多数の出来事または活動についての過剰な不安と心配(予期憂慮)が、起こる日の方が起こらない日より多い状態が、少なくとも6ヶ月間にわたる。
■その人は、その心配を抑制することが難しいと感じている。
■その不安および心配は、以下の6つの症状のうち3つ(またはそれ以上)を伴っている(過去6カ月間、少なくとも数個の症状が、起こる日の方が起こらない日より多い)。
1.落ち着きのなさ、緊張感、または神経の高ぶり
2.疲労しやすいこと
3.集中困難、または心が空白になること
4.易怒性(怒りっぽい)
5.筋肉の緊張
6.睡眠障害(入眠または睡眠時間の困難、または、落ち着かず熟睡感のない睡眠)
■その不安、心配、または身体症状が、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている(「仕事ができない」)など。
■その障害は、物質(カフェイン、アルコール、医薬品など)または医学的疾患(甲状腺機能亢進症など)の生理学的作用によるものではない。
■その障害は、他の精神疾患(うつ病、そううつ病、統合失調症など)ではうまく説明できない。
全般性不安障害(全般性不安症)チェックⅡ/特徴・症状
仕事上や家庭内での責任、仕事、家事、お金、学業、将来、事故、健康、病気、天災、安全、近所づきあいなどの様々な出来事または活動について、とらえどころのない漠然とした不安や心配(浮動性不安)があります。また、緊張、いらいら、怒りっぽさなどの精神症状、頭痛や肩こりなどの身体症状、振戦、頻脈、発汗などの自律神経系経過活動、睡眠障害を伴うことがあります。
不安や心配は、次の症状や思考などとして現れます。
●身震い、動揺、痛み、うずきがある。
●息苦しさ、動悸、発汗、口喝、めまい、頻尿、咽喉の異物感がある。
●そわそわと落ち着かない、緊張してしまう、過敏になってしまう。
●疲れやすい。
●倦怠感がある。
●めまい、ふらつき感がある。
●集中できない、心が空白になってしまう。
●刺激に対して過敏に反応してしまう。
●頭痛や肩こりなど筋肉が緊張している。
●入眠困難、中途覚醒、眠れない、熟睡した感がない。
「会社を解雇されてしまったらどうしよう」
「試合で上手くプレーできなかったらどうしよう」
「時間に遅刻したらどうしよう」
「子どもが交通事故にあったらどうしよう」
「病気になって残りの住宅ローンを支払えなかったらどうしよう」
「大地震が起こってしまったらどうしよう」
「老後にお金が足りなかったらどうしよう」
「もし、 ~ してしまったらどうしよう」
「もし、 ~ しなければ ~ だろう」
「きっと、~ しても ~ だろう」
「きっと、~ しなければ ~ だろう」
「絶対に、~ しても ~ に違いない」
「絶対に、~ しなければ ~ に違いない」
…などと表現されることが多いです。
全般性不安症(全般性不安障害)と他の不安症や問題の関係性
不安や緊張に苦しんでいる人は、他の不安症/不安障害、若干のうつ症状や演技性・依存性を併存すること、または、統合失調症といったパーソナリティー障害の特徴を呈することは珍しいことではありません。このプログラムでは、それらの治療を主なものとしない限り、他の不安症や問題が妨げになることはありません。ですから、あなたの生活機能を最も低下させている原因が全般性不安症/全般性不安障害であれば、このプログラムを選択することは適切です。しかし、あなたの症状が、大うつ病・パニック障害・広場恐怖・社会恐怖・強迫性障害・PTSD(外傷後ストレス障害)などに限定されている場合はこのプログラムが最優先されるものでは無いでしょう。
プログラムの成功率とあなたの将来
全般性不安症(全般性不安障害)の認知行動療法の成功率は、あなたのプログラムに取り組む姿勢にかかっています。中途半端な取り組みではより低い不安や心配の軽減にしかならないでしょうし、高い意識と姿勢をもって取り組めばより高い不安や心配の軽減を得る確率は高まります。カウンセラーはあなたのつらさを軽減をするための具体的な知識・スキル・テクニックをお伝えします。しかし、実践して気づき理解して行動するのはあなた自身です。まずは、プログラム終了後に自分がどのような状態でどのような生活を送っていたいのかをイメージし、このプログラムに取り組むための目標設定から始めてみましょう。